VOYAGE RECORD

船員の航海記

依頼人をキャラクターに見立てて戦略を立てる!人と人をつなぐポップカルチャーの力

こんにちは!

最近、黒壁スクエアの周辺を歩いていたらレトロで味のあるビルをいくつも見つけて、街歩きにがぜん力が入ってきたゆかりです。

アーケードの入り口で思い切って自撮りしてみました

そんな時、観光客で賑わう黒壁からちょっと入ったところに、カルチャー好きな人々が夜な夜な集う隠れ家的ビルがあるとの情報が。

そこの主は、地域おこし協力隊から起業した「山瀬さん」らしい。

山瀬さんって、「確か5年前にとある編集会議で会った、編集者の山瀬さんでは!? 久しぶりに会ってみたい!あとそのビルも気になる!」ということで、場所を教えてもらって早速会いに行ってきました。

山瀬鷹衡(たかひで)|企画・コンセプトデザイナー

滋賀県長浜市出身。大阪の大学でキャラクターについて学び、広告代理店で編集者・デザイナーとして勤務したのち2017年に長浜市の地域おこし協力隊として帰郷。任期中にまちの編集社「うるう」を開業し、情報発信やライティング、デザイン、イベント企画などを行う。2021年よりボードゲームスペース「RESPAWN(リスポーン)」を運営中。

<先に分かる「デザイン発注のいろは」>

ボードゲームが、苦手を好きに変えてくれた

お久しぶりです!山瀬さんは、この辺が地元なんでしたっけ?

地元は長浜の西浅井町、琵琶湖の北にある地域です。
高校を卒業してから大学進学のために大阪に出て、それから大阪で12年ぐらい暮らしました。

ボードゲームスペース「RESPAWN」の入り口。ミステリアスなロゴの巨大タペストリーが、通行人の目を奪います

大学生の時は、毎日のように友達と集まってテレビゲームで遊んでいました。
でも、いくら好きだからって毎日やってると飽きるじゃないですか。

まぁ、そうですね。

そんな時、「こんなのあるよ」ってボードゲームを出してくれた友達がいたんです。

テーブルの上には制作中のボードゲームが。山瀬さんは、ボードゲームクリエイターでもあるんです

テレビゲームがどんどん複雑化していく中、試しにボードゲームをやってみたら「シンプルなのに、めっちゃおもしろい!」っていう衝撃があったんです。あと、テレビゲームではみんな画面を見てるけど、ボードゲームはみんなで膝を突き合わせて、しゃべりながら遊べる

そうか。画面じゃなくて、相手の表情とかもすごく見ますよね!

だから、コミュニケーションツールとしてすごくいいなと思って。
ボードゲームの魅力にどんどんはまっていきました。

もともと人と話すのが苦手だったけど、ボードゲームで遊ぶうちにだんだん社交的になっていったそう

だから突然のコロナ禍で今までやってきたことがストップして、自分を振り返る時間ができた時、「あの頃は、いつかボードゲームのお店を持ちたいと思ってたな」と思い出したんです。コロナ禍なのに(笑)

ほんとだ、いちばん難しいタイミングで(笑)

そんな話をいろんな人にしていたら、ありがたいことに「ここ、空いてるよ」って言ってくださる方がいて。それからボードゲームスペースを始めて、今で4年目になります。

ところで気になってたんですが、お店の名前になっている「RESPAWN(リスポーン)」ってどういう意味なんですか?

リスポーンは、ゲームの世界で「復活地点」みたいな意味です。
現実世界の仕事や人間関係で消耗してHPが尽きてしまった時、この場所に来たらリスポーンして「またここからがんばろう」と思ってもらえる、そんな場所にしたかったんです。

この扉を開けたら、一気に違う世界に入って回復できる!ワクワクするし、すごく素敵だと思います。

趣味の合う仲間とつながれる「ポップカルチャーフェスティバル」

しかもここ、3階建てなんですよ。

そう、気になってました!

入り口のショーウィンドウには、5店舗分の商品やディープな置きものがぎっしり!

ビルを1棟まるごと借りていて、1階には僕の「ボードゲームスペース&ショップRESPAWN」とフォトスタジオ「華ノ彩葉(はなのいろは)」、2階には「ホビースペースRESPAWN」と「模型ベースヤマト」、3階には海外のボードゲームで遊べる「AZITO(アジト)」、全部で5つのお店が入っています。

ぜんぜん違うお店が入ってるのかと思ったら、なんとなくつながってるんですね。

1階に来た人が3階にもちょっと遊びに行ったり、プラモデルを作りに来た人がボードゲームもやってみたり。このビル自体が秘密基地というか、同じような趣味を持った人たちの拠点になればいいなと思って。まわりに声をかけて、今の4人が集まってくれました。

「ながはまポップカルチャーフェスティバル2024」のチラシ

こういう拠点があることを知ってもらいたい、このビルのメンバーで何か大きいベントがしたい、と思って「ながはまポップカルチャーフェスティバル」というイベントも始めました。

名前からして楽しそう!どんなイベントなんですか?

マンガ、ゲーム、アニメ、コスプレ、アイドル、謎解き、いろんなポップカルチャーを集めたお祭りみたいなイベントです。たくさんの人に来てもらえるように、さざなみタウンという長浜の公共施設で開催してるんですよ。

マンガの展示や、プロマンガ家のサイン会も開催されました

カラフルで楽しそうで、まさにポップカルチャーの祭典ですね!

僕は子どもの頃マンガ家になりたかったんですが、まわりに一緒に切磋琢磨できる仲間も、相談できる大人もいなかった。

2024年10月に開催された「ながはまポップカルチャーフェスティバル」。
eスポーツ、謎解き、コスプレ撮影会やアイドルライブもあって、大いに盛り上がりました!

だから今の子たちに、こういうイベントを通して同じものが好きな仲間ができて、「RESPAWNという拠点があって、もっと話したかったらいつでもここにいるよ」ってのを知ってもらうきっかけが作れたらいいなと思ったんです

自分の経験をもとに企画したイベントだったんですね。確かに、仲間ができるってすごく心強いと思います!

企画を実行する時は、僕も一緒に動きます

RESPAWNを作ってからは、デザインや企画の仕事もここでするようになったそう。
「山瀬さんいるかな〜?」とふらっと立ち寄れるのがいいですね

山瀬さんは「企画コンセプトデザイナー」を名乗っておられますが、具体的にはどんなお仕事をされてるんですか?

企画デザインに関しては、「今こういうことに困ってる」といった相談を受けて、実現する方法を考える…コンサルに近いのかもしれません。例えばコロナ禍の時、ずっと料理教室をされていた料理家の方から、「人を集めて教室を開けなくなってしまった。どうしたらいいでしょう?」と相談をいただいて。

わぁ…コロナ禍で料理教室は、確かに難しいですね。

それで「まずはオンラインの料理教室に切り替えましょう」と提案して、一緒に実行していきました。

なるほど!

でも単なるオンラインの料理教室だとよくあるし、何かもうひとひねり欲しいね、と。いろいろヒアリングしていくうちに「湖北の野菜っておいしいよね」って話になって。

料理家の蓮溪邦枝(はたにくにえ)さんが開催する「お野菜お届けオンラインレッスン」

オンラインレッスンの何日か前に農家さんのところに野菜を収穫しに行って、参加者のみなさんに送って、当日はみんなで同じ野菜を使って料理するのはどうだろう、と始めたのが「お野菜お届けオンラインレッスン」です。

オンラインだけど、同じ野菜を通じてつながってる感じがするのがいいですね!
そういうアイデアって、どうやって思いつくんですか?

僕が一般的なコンサルと違うのは、「自分も一緒に動く」ところです。さっきの料理教室をされている方は、もともと対面レッスンだけで、ネットにつなぐのも初めてという状態で。

じゃあ、オンラインレッスンを始めるところから一緒に?

はい。ひとつの相談に答えを出して終わりじゃなく、僕自身も並走してどんどん企画を育てていく仲間になることで、アイデアもできることの幅もグッと広がるんです。

心強い!そこまでやってもらえるなら、何もわからなくても手放しで相談に行きたくなります。

農業で地域のネガティブをポジティブに変えるプロジェクト「RICE IS COMEDY(ライスイズコメディー)

コンセプトデザインの方では、RICE IS COMEDY(ライスイズコメディー)という農業プロジェクトのコンセプトを作りました。

Webサイトからグッズ、ストーリーまで、なんかもう完成されてますね。

土台に「RICE IS COMEDY(米作りは喜劇だ)」っていう大きいコンセプトがドーンとあるので、軸がぶれないんですよね。コンセプトって、人に自分の活動を伝えるのにも最適だし、自分の軸がぶれないための指針にもなるんです。

確かに。
事業や活動って、うまく行き始めるといろいろやりたくなって、どんどんぶれていきがちですよね。

そういう時、これが本当にやりたかったとか自問自答するためにも、コンセプトは大事なんですよね。イメージカラーやデザインも、コンセプトをベースに決めていきます。

コンセプト作りもデザインもするし、イベントも、事業の立て直しみたいなこともするし。

本当、よろず屋です(笑)「この人に相談したら何とかなるかも!」って思ってもらえたら嬉しいです。

根っこにあるのは“キャラクターデザイン”の考え方

僕が大学で学んだのはキャラクターデザインなんです。
その考え方が、今の仕事に生きていると思っていて。

山瀬さんが作った新作ボードゲーム「SPELL7(スペルセブン)」。火・水・木・土・風・光・闇の7つの魔力を集めて戦います

例えばこういうキャラクターがいるとします。
これはもうイラストになっていますが、マンガの主人公を考える時って、どんな性格で、何が好きで何が嫌いかとかを練って練って、そこから絵になっていくんですよね。

そうか、なぜその服を着ているのか、なぜその道具を持っているのかにもちゃんと理由がありますもんね。

そう、必ずそうなった背景があるんです。
だから相談に来てくれた人に対しても、その人がどんな人で、本当に目指しているものは何なのかを深掘りすることで、キャラクターがだんだんわかってきて、その人に合った魅力の伝え方が見えてくる

なるほど!

じゃあこの人の相棒に、こんなキャラクターがいたらいい化学反応が起きそう。
そんな風に考えて、僕から双方に声をかけて企画を始めることもあります。ポップカルチャーフェスティバルは、まさにそれですね。

ああ、確かに!おもしろい考え方ですね。でも、筋が通ってる。

壁を埋め尽くすように並ぶボードゲーム。その数はなんと800種類以上!

キャラクターを知るにはコミュニケーションが大事、ってことでボードゲームをやっています。

ボードゲームに帰ってきた!今まで聞いてきたお話がぐるっとつながりましたね。

企画やデザインやコンセプト作り、いろんなことをやってますが、自分の中で軸はぶれてないつもりです。

頼りになる!この記事を読んだ地元の迷える人たちが、ここに相談に来ても大丈夫ですか?

もちろん大歓迎です。「長浜にはこんなにおもしろい人がいるんだよ!」って知ってもらうための力になりたいし、地元でも楽しいことができることを伝えていきたいと思っています。

マンガ家を夢見て地元を出た山瀬さん。その夢がマンガのプロデューサーに変わり、デザインや編集、企画という武器を身につけて、ボードゲームという仲間まで見つけて長浜に根を下ろしました。

やりたいことがその時々で変わっても全然ぶれていないように見えるのは、やってきたこと全てが「ポップカルチャーが好きな山瀬さん」というフィルターを通って、意味のある積み重ねになっているからだと感じます。

必殺技を繰り出すように、難解なルールを乗りこなすように、山瀬さんのフィルターを通せば、みなさんの困りごとが思いがけない形にデザインされて、最強の布陣に変わるかも。

「やりたいことや困っていることがあるけど、何からどう動き出せばいいかわからない」。そんな人はぜひ、RESPAWNを訪れてみてはいかがでしょう!

ボードゲームスペース&ショップ RESPAWN(リスポーン)のX

ボードゲームスペース&ショップ RESPAWN(リスポーン)のInstagram

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