スタートのハードルを下げる!ここは押さえたい「デザイン発注のポイント」
久しぶりの登場となりました、船長のタカです。
2023年の夏頃に長浜航海記が始まり、2023年度も終わろうとしている3月。現時点で、長浜界隈で活躍する12人のクリエイターに登場していただきました!
ロゴマークやチラシをつくるグラフィックデザイナー、家族写真や風景写真を撮るフォトグラファー、建物や空間をつくる建築設計士などなど…。
長浜には色々なものづくりに携わるクリエイターがいるんですね。
クリエイターの仕事の始まり方や進め方は、それぞれの記事で詳しくお伝えしていますが、この記事では「何をお願いできるの?」という部分をまとめました。
お願いできることや仕事の進め方はクリエイターによって変わってくるので、記事を読んだ上で、気軽に聞いてみることをオススメします!
では参りましょう!
どんなことを相談できるの?
「デザイン発注のいろは」で、ジャンルは違えどクリエイターのみなさんが口を揃えて言っていたのは、誰に、何を、どうやって伝えたいのか、をはっきりさせることが大事だということ。
漠然とした状態で作り始め、漠然としたものが出来上がるのを避けるためです。このシンプルな質問に答えるのは意外と難しいのではないでしょうか…?
ちなみに、クリエイターに相談できることは大きく分けて2つあります。
①企画そのものや事業の全体像など、考えるところからお願いする
②お客さんが触れるものを、作るところからお願いする
仮に「①=考えるデザイン」「②=つくるデザイン」として考えた時、具体的にどんなことをお願いできるのでしょうか?
①考えるデザイン
⚪ターゲットの設定(誰に買ってもらい、誰に届けたいのか)
⚪コンセプトづくり(商品やサービス、お店の肝は何か)
⚪発展する計画づくり(でき上がったものをどうやって届け、発展させるか)
などなど…
②つくるデザイン
⚪ロゴマークやパッケージ、ポスターなどのグラフィックデザイン
⚪ホームページやECサイトなどのウェブデザイン
⚪新築やリノベーションなどの空間を作る建築やインテリアデザイン
などなど…
クリエイターによって対応できるジャンルはさまざま。
そのため、迷った時は気軽にクリエイターに相談してみましょう。
ここでのまとめ
⚪デザインには「考えるデザイン」と「つくるデザイン」がある
⚪クリエイターによって得意分野が違うため、細かく聞いてみる
⚪どの分野でも「誰に」「何を」「どうやって」伝えたいかが重要
どんなふうに相談をはじめるの?
「相談するだけでお金がかかるんじゃないの…?」「具体的にお願いすることが決まらないと相談しちゃいけないんじゃないの…?」と、初めてのデザイン相談は色々と不安ですよね。
でも、身構えなくても大丈夫!
基本的には相談にお金がかかることはないですし、話をするうちに「カタチにしていきたいモノ」が変わっていくことも多いです。
何にせよ、お金のことは遠慮せずに“先に”確認しましょう!
STEP1:「相談しようかな」と思う内容をまとめる
「デザイン発注のいろは」でも多くのクリエイターが言っていましたが、相談時になるべく多くの情報を共有いただくことで、具体的なお話ができます。もちろん、分かる範囲で大丈夫です。
何より「誰かに話してみよう!」と思い立ってまとめることで、頭の中にあるアイデアがクリアになるはず。書いたり口にしたりすると、アイデアがもっと湧いてくるかもしれません。
STEP2:クリエイターに連絡をしてみる
ぜひ「デザイン発注のいろは」で取り上げたクリエイターに相談してみてください。
「長浜航海記を見て連絡をしたんですけど〜」と言っていただければ、話がスムーズになるかも!?
まずは気軽に相談してみることが第一歩。その結果、「今はまだやめておこう」「最初に思っていた内容でお願いするのは違う気がしてきた」となっても全然大丈夫!です。
ここでのまとめ
⚪相談内容を分かる範囲でまとめてみる
⚪クリエイターに連絡をする
⚪相談の結果、考え直すのもOK!
相談したあとはどうなるの?
クリエイターに相談をして内容が固まったら、いよいよデザインがスタートします。
デザインの相談内容によって進み方はさまざま。ここでは、共通して起きる大まかな流れをお伝えします!
①依頼主とクリエイターの合意をとる
主に以下のようなことをお互いに話します。
⚪つくりたいモノのイメージのすり合わせ(イベントのような無形のモノでも、チラシのような有形なものでも)
⚪クリエイターにお願いしたいお仕事内容と納品物
⚪予算感(後日内容に合わせてクリエイターから見積もりの提案になることが多い)
⚪実施スケジュール(打ち合わせの回数、提案の回数、締め切り、開催日など)
<ここでのPOINT!>
クリエイターの得意なテイストや持ち前のスキルはそれぞれ異なります。ご相談内容にマッチしないな…と感じたら無理することなく、お互い「また別の機会に…」と言えるようにしましょう!
「お願いしたい内容・スケジュール・予算」が噛み合わないとトラブルのもとになります。
②契約書の締結
①のステップで合意が取れたら、その内容を書面にして両者で保管しておくことが大切です。
こういったプロジェクトで起きてしまうトラブルでとにかく多いのは「言った、言わない問題」です。場合によっては金銭トラブルに発展してしまう場合もあるので、契約書の作成・契約締結をオススメします。
<ここでのPOINT!>
契約書には取り決めに関することを全て記載し、押印し保管する(両者)
③実務スタート
準備が整ったらいざ、実務スタート!始まるまでが長く感じるかもしれませんが、“起きるかもしれないトラブル”は避けて損はナシ!お願いする側もされる側も、準備をすることに越したことはありません。
実務が始まったら、おそらく心配になるであろう「あるあるポイント」と、その対応策を書いておきます!(ただしプロジェクトは千差万別です。対応策通りに行かないこともありますのでご了承ください。)
スケジュールが押している!納期が危うい!!
納期(発売日やイベントの開催日)は決まっているけど、どう考えてもこのペースでは間に合いそうもない…というのは実はよく起きてしまうことです。
特に何かモノを作る場合は、こだわり出すと答えが見えず、時間を多く費やしてしまうことに…。そうならないためにも次のことをオススメします。
1)スケジュールはあらかじめ余裕をもって組む(両者)
2)スケジュールを考慮してもギリギリな場合は無理せず①スケジュールを遅らせるか②やることを減らす(依頼者)
3)遅れてしまいそうな場合はギリギリの報告ではなく、「遅れそうだ…」と気づいた時に相談する(クリエイター)
予算オーバーしそう!!
プロジェクトが進み、カタチになってくると同時に膨れる予算。フタを開けたら見積もり額の2倍に…!となってしまっては、せっかく出来上がったモノが素晴らしくてもシコリが残ってしまいます。
意外に見落としがちな次の方法を取ればリスクは軽減できます。
1)人件費と経費は分けて見積もっておく(両者)
2)途中でかかっている予算を確認する(両者)
3)予算オーバーが見え始めたら無理をせずやることを縮小する(両者)
思っていたクオリティが上がってこない!/求められるクオリティが高すぎる!
モノをつくるデザイン案件では「正解がない」ため、良し悪しが感覚に頼りがち。「もっと美しくしたい!」「この線をあと2mm…!」という世界に入ってきた時に、お互いクオリティ(品質)に関してストレスを感じてしまうことがあります。
双方の視点でどのようにストレスを緩和すればいいでしょうか。
1)スタートする前に修正回数を限っておく(クリエイター)
2)デザインに関する修正指示は誰が見ても理解できるように簡潔かつ具体的にする(依頼者)
これも一緒にお願いできちゃう?!/頼まれていた役割をオーバーしている!
制作を進めていくうちに「あれも必要だ…これも必要だったけど依頼に入れてなかった…」と他にも必要なモノが出てくる可能性があります。
サービスで一緒につくってくれるクリエイターもいますが、基本的には当初の依頼内容以外の作業は追加費用が発生します。
1)必要になりそうなものは見積もりの時に明らかにしておく(両者)
2)依頼になかった作業を開始する際には、支払い金額について確認する(両者)
プロジェクトが一向に完了しない!
こちらは締め切りが特にないプロジェクトに起こりやすい問題です。これは両者にとってジリジリと非常にツラい状況になりますので、避けるようにしましょう。
時間が経つとお互いに熱量も薄れてきて連絡も滞りがちになります。そうなるとプロジェクトが引き伸ばされ完了しない原因になります。
1)締め切り、完了日を決めておく(両者)
2)完了、納品書を発行/受領する(両者)
3)先延ばしでスケジュールが見えなくなった場合、スケジュールの引き直しと作業費用の確認を行う(クリエイター)
この記事でご紹介するのはここまで!慣れないと大変なことも多いと思いますが、一緒に作り上げたものが目に見える形になった時の喜びは変えがたいものがあります。
一人でも多くの方に良きクリエイティブライフを送っていただきたいので、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
長浜航海記では、長浜を中心に活動するクリエイターや企業、プロジェクトの紹介をしています。気になる方がいれば、ぜひ気軽に連絡してみてください。
長浜航海記・船長。長浜カイコー言い出しっぺのひとり。スナフキンのように風来坊デザイナーをしていたが、長浜市に定着。3度の飯より釣りが好き。本業は釣りだと思われるフシがある。口グセは根拠のない「ダイジョブ、ダイジョブ」。