“知り得ない世界”を知るために長浜へ移住。地域の魅力を伝え続けるライターの視点
こんにちは!さわです。
普段はデザインをメインに仕事をしている私。ライターとしての仕事は長浜航海記で取材に行くぐらいです。そのため、ライターを本業としている方のお話をずっと聞きたいなと思っていました。
今後も長浜航海記で記事を書くにあたり、ライターの心得を学びたい!ライターの視点を知りたい!
と、思い訪れたのは自然豊かな集落・長浜市木之本町大見。長浜駅から原付で40分かけて、船崎さんが活動拠点にしている大見集落内にある「大見いこいの広場」までお話を聞きに行ってきました。
今回お話を伺うのは、地域おこし協力隊として、ライターの仕事をされている船崎桜さん。
好きなことがたくさんあって絞れず、様々なことが学べる大学へ進学。卒業後は“自分が知らない世界”を知りたくて、新聞記者の道へ。記者時代に知り得なかった、“未知の世界”を体験するために長浜へ移住されました。
新聞記者や地域おこし協力隊の仕事を通して「文章を書くこと」に向き合ってきたと言います。
活動場所を長浜に移し、地域密着型で仕事をする船崎さんの目には、何が映っているのか。お話を聞いていくうちに、船崎さんの「知りたい!」という気持ちや、取材対象者への思いからくる“取材力”に触れることができました。
船崎桜|地域おこし協力隊
長浜市地域おこし協力隊として、ローカルメディアとの協働による情報発信と移住者ネットワーク・コミュニティづくりによる関係人口/定住人口の創出拡大の活動をしている。前職では大手新聞社の記者やIT業界で広報を担当していた。
<先に分かる「デザイン発注のいろは」>
(ライターとして活躍されている方に話が聞けるなんて光栄だな…)こんにちは〜!
こんにちは〜!って、原付で来られたんですか?
はい。景色がきれいで最高でした。
ゆっくりしたのどかなところですよね。今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
“知らない世界”を知りたくて新聞記者に
事前にいくつかの資料を拝見し、現在は地域おこし協力隊として活動されていると知りました!具体的にどんなことをされているんですか?
地域おこし協力隊として記事を書いています。年4回発行する「湖国と文化」という文化誌や、地域情報誌の「さざなみ通信」などで連載しています。
長浜市内で暮らす女性8人で立ち上げたイカハッチンプロダクションでは、雑誌「サバイブユートピア」の発刊もしました。
あ!この雑誌、図書館で見たことがあります。船崎さんも関わられていたんですね。そもそも、ライターとしての出発点である新聞記者になろうと思った理由を教えてください。
マスコミや報道の仕事は色んな世界を覗けるし、色んな人に会えると思ったので、新聞記者になりました。「人に会ってみたい」という気持ちは大学時代から強かったですね。
元々、人が好きなんですか?
人が好きというより、“知らない世界”が好きなんです。自分では経験できなかったことを本で読むと「面白い!」と感じるじゃないですか。あの感覚が好きで。
わかります!本を読むと他人の人生が見えた気がして、ワクワクしますよね。
本以外にラジオもよく聴きます。大学時代は深夜ラジオをよく聴きましたし、長浜に移住してからは車での移動が多いので、運転中にポッドキャストやラジオを流しています。
実は、この仕事は大学時代の友人が声をかけてくれたんです。SNSで私が「ラジオが好き」と発信したのを見てくれていたようで。
好きなコトが仕事になったんですね!
本やラジオ、ニュースなど、好きなコトがたくさんあるんです。
「ニュースが好き」というのはどういうことでしょうか?
高校生の時はニュースを見ながら「この問題について自分はこう思う」とか「この事件はどうしたら起きなかったのか」とか、あれこれ考えてました。
1人でワイドショーを展開しているじゃないですか!
まさに1人ワイドショーでした(笑)
新聞記者では“知り得ない世界”が長浜にはあった
なぜ地域おこし協力隊になろうと思ったんですか?
元々は東京で新聞記者をした後、IT系の会社で広報をしていたんです。長浜への移住は、結婚するタイミングで決断しました。
ご結婚されてから移住されたんですね。なぜ、長浜を選んだんですか?東京から長浜への移住だと、生活がガラッと変わりそう。
東京は満員電車や人混みばかりで、休まる場所がなくて…。のんびりした生活を送ってみたいと思い、夫と相談しながら長浜に移住しました。
確かに、東京はどこか忙しない感じがするかもしれません。長浜に住んでみて、どうですか?
自然や伝統的な文化、歴史などがあり、自分の中にある「知りたい!」という欲求が刺激される街だなと感じています。
私も長浜の地域性に魅了されて一昨年、移住してきたんです!自然の豊かさと人情溢れる地域の人たちが大好きで。船崎さんは特にどこが魅力的だと感じましたか?
私の住んでいる集落では観音様を大事にしていたり、この地域でしか育てていない野菜を使った独自の料理が残っていたり、文化を大事にしているのが魅力的だなと思っています。
東京ではあまり聞かない文化ですよね。
あとは、古民家のDIYを手伝ってくれているおじさんがいるんですけど、このおじさんがすごくて…。
気になる…。
同じ集落に住んでいる80歳くらいの方です。なんでもできちゃうんですよ。大工さんじゃないのに家を作れますみたいな(笑)
すご!スーパーDIYおじさん。船崎さんは長浜の地域性に惹かれているんですね。
そうですね。これは、住んでみたからこそ知れた世界だなと思います。
長浜への移住前後で、取材を通して見える世界は変わりましたか?
確実に変わりましたね。地域の魅力を知った上で、地域で活躍する人たちへ取材に行く。ただ情報を伝えるだけでなく、実際に私が体験したことも伝えられるので、非常にやりがいも感じています。
新聞記者とはまた違う書き方になるもんなぁ。
特に新聞記者の場合、事実や取材対象者の考えを正確に書くことを求められるので。自分の体験を通して深く知ったことを伝えられるのは、嬉しいですね。
記事の質は取材の質で決まる
記事を書く上でこだわっているポイントはありますか?
書くこと以上に取材にこだわっています。記事の質は取材の質で決まると考えています。9割を占めると言ってもいいぐらい。話を聞けないことには、良い記事が書けないので。
やっぱり取材って大事ですよね。うまく話を引き出せない時は、記事を書く時に詰まることが多いです。
新聞記者時代、上司から「こういう話を聞いてきた?」「ここはどういう意味?」と何度も指摘を受けました。時には何度も取材をすることも。その経験があったからこそ、丁寧に取材をすることを心がけるようになりました。
船崎さんにもそんな時代があったなんて…。
相手のことを調べて、十分な準備をしてから取材に望む。実践を通して、私も取材対象者も納得する取材ができるようになってきました。
そうか、先に相手のことを知るからこそ、引き出すべき情報を引き出せるようになるんですね!最後に、ライターとしてのやりがいも教えてください。
私の書いた記事を読んで「お客さんが来てくれました」とか「問い合わせが来ました」とご連絡をいただくことがあって。あとは「考えの整理ができた」とか。記事を書いた相手が喜んでくれることが、何より嬉しいです。
「知りたい!」という気持ちからくる興味や関心。取材対象者のことを丁寧に調べ、相手の引き出してほしいことを引き出す取材力。
東京での新聞記者生活や地域おこし協力隊としての活動があったからこそ、“船崎さんらしさ”が発揮された記事が生まれるんだなと感じました。
ホームページやパンフレット、求人募集などを作る際には、客観的な視点が重要。自分たちの魅力を十分に伝えたいと思った時、船崎さんの力を借りるのはいかがでしょうか?
きっと、入念に準備をして、魅力を引き出してくださるはず。この記事を読んで「船崎さんに相談したい」と思った方は、ぜひご相談してみてください!
船崎さんへのご連絡はこちらから
長浜航海記・船員。京都から長浜へ移住し、株式会社crevus designを設立。小学生向けの体験教室やデザインなどのクリエイティブ事業をしている人。ど根性地べた這いつくばって進むタイプ。