VOYAGE RECORD

船員の航海記

結局デザインって何なの??みんなが分かるデザインのいろは

こんにちは。おばTです。

早いもので、この「長浜航海記」がオープンしてから1年が経ちました。船長・タカと「どんなメディアにしようか」と相談したり、冬の寒い中、琵琶湖で写真を撮ったりしたのも今では良い思い出です。

撮影の裏側。ボクは長袖で大丈夫でしたが、半袖のタカさんは震えていました

途中からは新たな航海士・さわも加わり、複数の視点から「デザイン発注のいろは」や「プロジェクト潜入記録」「教えて!湖北の会社さん!どうしてそうなれた?!」の記事をお届けしてきました。

長浜航海記は「リアル・デザイン・ドキュメンタリー」。誕生秘話でもお伝えしましたが、デザインを中心に話が展開されているメディアです。

取材を受けてくださった方々のおかげで、1年前よりは「デザイン」について理解が深まってきたと思います。

そうは言っても、デザインについては素人に毛が生えた程度。まだまだよく分かっていないことがたくさんあります。

そこで、今回は航海士・おばTとさわが「デザインって結局何なの?」という疑問を、船長・タカにぶつけました。

デザインに対する漠然とした理解は深まるのか!?

長浜航海記1年間の歩みも振り返りながら、“デザイン”を紐解こうと思います。

<先に分かるデザインのいろは>

「大きな絵を描くデザイン」と「人を惹きつける絵を描くデザイン」の違い

長浜航海記では「デザイン」という言葉をたくさん使っているものの、正直漠然としか理解できていないんですよね。

私もです。。。

一言で「デザイン」と言っても、いろいろな解釈があるややこしい言葉だよね。

2人が普段使う「デザイン」という言葉には、大きく分けて①広義のデザインと②狭義のデザインがあるのは知ってるかな?

(講義っぽくなってきたぞ…!)

「広義のデザイン」は、仕組みや体験に関するデザインのこと。

広義のデザインはデザイナーだけがやるものではないんだよね。

仕組みや体験。ということは、私が普段やっている教育分野にも活きるってことですかね?

まさに。教育分野にも活きてくるはず。

一方「狭義のデザイン」は、図案や製品などの意匠に関すること。狭義のデザインはデザイナーだけが基本的にはやるものかな。

引用:「モノのデザイン」と「課題解決のためのデザイン」の関係。

ボクたちが普段「おしゃれなデザインだな〜」と感じるデザインは、狭義のデザインということですか?

そうそう、そういうこと。昔は、デザイナーの専売特許である狭義のデザインだけだった。

でも、今の時代はデザイナー以外も関わる広義のデザインが注視されているんだよね。

広義と狭義の違いは何となく分かりました。でも、結局「デザイン」について考えるのは、大きな企業とか都市部の企業だけじゃないんですか?

いやいや、長浜でも同じだよ。

広義のデザインと狭義のデザインを駆使している企業やプロジェクトを選んで、2人に取材に行ってもらっているんだよね。

長浜でもデザインが駆使されているのかぁ。

ポイントを抑えることで、次からの取材は本質的な情報を聞けるような気がしてきました!

長浜航海記ではこの両方を扱うことが多いから、取材時から違いを意識してみると、プロジェクトとか企業の取り組みを見る目が変わるんじゃないかな。

両面のデザインが求められる時代

ちなみに、この長浜航海記の取り組みに当てはめてみると、どうなりますか?

デザインと長浜市民の距離を近づけるためにWebメディアを組み立てたり、企画を立てて立体的に計画・実行・改善したりしていくことが「広義のデザイン」に当てはまるね。

ボクとタカさんが最初にメディアの方向性を決めたこと自体が、広義のデザインに取り組んでいたということなのか。

親しみやすく伝えるためにWebサイト全体のグラフィックや記事のバナーをつくったり、記事を執筆したりすることが「狭義のデザイン」。

これまでは狭義のデザインのイメージが強かったんですが、長浜航海記に関わってからは、広義のデザインとの出会いも多くなりました!

色々なパートナーとチームになって、この両方を行き来することが、世間では求められているんだよね。

だんだん理解が深まってきたぞ…!

「デザイン思考」や「デザイン経営」「コミュニケーションデザイン」という言葉があるように、広義のデザインはこれからの時代になくてはならない存在だと感じています。

というと…?

私自身、狭義のデザインに関わっていて、ただオシャレなものを作っても、課題解決に繋がらなかったり共感を生まなかったりした経験があったんです。

うんうん。

過去の経験とタカさんに教えてもらった広義のデザインの重要性がリンクしてきて。

「乗り越えたい課題を根本から見直して、計画を立て、絵を描く。そして、お客さんの声を聞いて、改善する。」この一連の流れを、デザイナーを”含めた”チームでやることが大事だと思ったんですよね。

デザインの良し悪しを決めるモノ

お話を聞いていて気になったんですが、広義のデザインの良し悪しはどうやって測れば良いんでしょうか?

私も気になります!

ボクみたいな専門外の一般人は、狭義のデザインの場合「おしゃれだ」とか「目的に沿っている」というような判断ができるような気がするものの、広義のデザインをどう捉えるべきなのか気になりました!

素晴らしい着眼点!学会に投げたいくらい(笑)。デザインの評価って難しいよね。

売れるデザイン、賞をとるデザイン、美しいデザイン、長く使われるデザイン…良いデザインってなかなか1つの評価軸では測りづらいね。

改めて考えると色々ありますね。

狭義のデザインは、「かわいい、カッコいい、美味しそう」…などなど、感覚によって良し悪しが決まることが多いよね。

そのため、最終的に手に届く製品がイケていることは大前提であり、これから先もデザイナーは良いとされるモノを求められ続ける。

シビアな世界だ。

じゃあ「広義のデザインは?」というと、仕組みや計画、引いては課題の明文化や向かいたい未来の姿(ビジョン)の定義など、少し幅広いところに焦点が当たるんだよね。

幅広いからこそ、良し悪しを測るのはムズかしそう。

「より人に深く刺さっている」「より支持を得ていて、支援者や参加者が多くなる(増え続けている)」「これまで思いつかなかったアプローチをしていて、ハッと目を覚まされる」「もっと深く違う方向からも物事を捉えられるようになった(アプローチできるようになった)」が良い結果に繋がりやすいんじゃないかな。

比べてみると、良し悪しの測り方が全然違いますね!

「長浜HEROES」から学ぶデザインアプローチ

たとえば、12月に取り上げた「長浜HEROES」を広義のデザインの事例として取り上げてみよっか。

「人口減少」「子どもたちの運動や文化を学ぶ機会喪失」「文化の未継承」あたりが課題だとしたら、子どもたちにフラッグフットボールを楽しんでもらいつつ、学んでもらえるチーム作りと場作りが、これまでになかった鮮やかな事例になるんだよね。

「楽しさと学びの両立」は、私にとっても学びの多い事例でした。

つまり、真面目に会議室に座って「子どもたちにどうやって長浜のことを知ってもらって、どうやって魅力を感じてもらおう…」なんて紙とにらめっこしている施策なんかより、よっぽどクリエイティブな取り組みだということ。

机上の空論ではない、実践ありきの取り組みですもんね。

楽しんだ結果、子どもたちの機会創出にも文化の継承にも繋がるよ、というのが広義のデザインアプローチが成せるワザだね。

もう一つここで重要なのは、長浜HEROESでも狭義のデザインがちゃんと登場するということ。

例えば、子どもたちが憧れるようなチームロゴやスポーツタオル、ユニフォームなど。カッコいい!と思えるから子どもたちが集まるよね。

ロゴ、カッコいいですよね!

つまり、コミュニケーションツールとして、いつも狭義のデザインはお客さんに触れ合っているということになるんだよね。

こんな観点で、イケてる先進的なクリエイティブ事例を見てみると面白いよね。

事例があると、グッと理解が深まりますね!

広義のデザインと狭義のデザインについて、モヤモヤしつつも言語化できていなかったところだったので、めちゃくちゃ勉強になりました!

次に紹介するのは事業内容も場所もバラバラだけど、結果的に解決に向かっていくクリエイティブな取り組みで、実際にデザイン賞も受賞しているよ。

<参考事例>

チロル堂(奈良県)

sumu(屋久島)

Fisherman Japan (岩手)

今まで漠然としていたものが、だいぶクリアになってきました!この構造や全体像を理解することで、記事や取材の質が上がりそう!

私が関わっている教育の分野は収益化が難しいからこそ、広義のデザインを模索しながら経営する必要があるなと改めて考えるきっかけになりました!

今共有したような面白いことを長浜航海記でやっていけたら良いよね〜。

普段何気なく使っている「デザイン」という言葉は、広義のデザインを意味するのか、狭義のデザインを意味するのか。意識的に使うことで、見えるセカイも変わってくることでしょう。

じゃあ、実際に長浜航海記ではどんなデザイン事例を取り上げたのか。

別の記事では、長浜航海記で取り上げた事例を整理しつつ、1年間の活動を4人(3人+つじもと)で振り返ります。

今度は私もいますよ〜!

CATEGORY

カテゴリーで絞り込む